ある時、工務店様より商品化住宅のデザインを依頼されました。商品化住宅は、資材やスペースを標準化し手頃なコストでたくさんの人に提供するものです。ヒット商品を出せばフランチャイズ化も夢でなく、売れる為のデザインを期待されました。
日本にある商品化住宅のプランニングは、nLDKの大小の箱の組み合わせただけのもので、付加価値をつけるためには仕上げ材料や構造の強さ・設備・環境性能の違いで勝負しているだけで、モデルハウスにある家具や器具を除けば、全て同じ空間です。設計事務所としては、nLDKの単一性の価値観から脱却し、「生活をたのしむ空間」という視点で内部から考える商品化住宅を提案しました。
生活を楽しむために2通りのアプローチを用意しそれぞれを「CELL」と「PRT」と名付けました。
2つの共通点は、コンパクトな美しい直方体であることです。コストダウンと空間を無駄なく利用でき高気密高断熱化が容易で過ごしやすく自然災害に強い家です。空間を限定した使い方でなくフレキシブルな使い方ができるので併用住宅が容易です。