都市密度がそれほど高くない郊外の幹線道路沿いに建つ美容室併用住宅です。1階部分が美容室で、間口が狭く駐車スペースが必要な店舗です。大小形の違う建物4件がガラスによって繋がっている形で、何らかの物語性が感じられる建物にしました。
美容室は、一人一人のお客様に丁寧なサービスをするという方針から、予約制で、多くても4人までの同時に入れない、隠れ家的な空間でくつろいでいただくというコンセプトです。
美容室は、美を追求する所なので空間に対するこだわりは高く、空間・色彩・素材・照明のシュミレーションは、模型・CG・サンプル・図面を駆使して行われました。住宅部分も同じく台所に立ったお母さんの目線を模型で確認し、色彩、材種が決められました。
別のお客様より友禅の染めに使っていた幅広の板を譲り受けこの現場で使わせていただきました。
4つの部屋の色彩を別々にするか揃えるか、素材と同時に組み合わせを検討しました。
美容室の空間のテーマは、静寂です。4つの大きさの違う部屋が静寂をたたえた水面に浮かび、それぞれが微妙にずれている空間をイメージしています。実際に水を貼れなかったので、枯山水のように玉砂利を敷きフロアーのガラスを張った部分から見えるようにしました。
各部屋の開口の大きさ、天井高も変えています。各部屋で一人ずつカットをし、染髪は、一番奥の部屋で行うようにしました。
4件が別々に建っていますが、2階は、トンネルでつなぎワンルームになっています。
真ん中の2件がリビングとダイニングキッチンで、両端がブライベートルームになり
ます。キッチンより子ども部屋までが一望できます。
リビングに面する洗面スペースです。裏側に階段が通り、壁面は、装飾壁紙が張られ天井面まで壁はなく、ロフトにすることで、空間に広がりができます。ロフト部分は、一部ポリカーボネイト仕上げになっていてトップライトからの光が降り注ぎます。
部屋の半分を収納にして、段差のある部屋になっています。子供部屋として、段違いのフロアーは、とても楽しい空間になり、成長に合わせ様々な使われ方をします。
洗面コーナーは、隣の建物と面して暗く、採光が欲しかったので全面スモークガラスにして閉鎖性を緩和しています。
引戸によって寝室、クローゼット、洗面、浴室と間仕切りられています。風通しをよくするのと部屋の使い方に融通性を持たせています。
小屋裏をロフトにして収納庫として使います。
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