大滝小体育館 

滋賀県
木造1階建
延べ床面積640.48㎡
設計同人舎

雪の多い山間部にある小学校の体育館です。設計同人舎の主張である地元産の木材を使うことを実践した建物です。間伐材を使うことで木材の有効利用と地産地消を追求した建物になっています。

積雪の問題と避難施設の拠点になるため、建物周辺に雪を落とさないための形状が考えられました。そのために屋根形状は、半円形にして雪が乗らないようにしてその端部の屋根を鉄筋コンクリート製にして雪を乗せ、その下にピロティーをつくりました。

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4から5メートルの長さの間伐材を使っての大空間を考えるには、一般的には立体トラス構造が考えられますが、設計同人舎のオリジナルな工法である「スダレ工法」をデザインしました。立体トラスよりもコンパクトにでき、特殊な金具を使わなくて数種類の部材を組み合わせスチールバンドで締め付けるだけでどんな工務店でもできる簡単な工法です。

山に囲まれていることから風景と光、風を取り入れるために4方に開口部をつくりました。

 

ベンチ   間伐材で作った折りたたみ扉


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当初、片流れ屋根れ案がありましたが、木造の軒高が9メートルという規制を出発点に半円形の空間の方が広がりがあってのびのびと運動ができるなど、いろいろな半円形の形状を構造事務所とキャッチボールしスダレ工法に至りました。


木材を乾燥するのに、富山にある燻煙乾燥の専門業社にお願いしました。木材を製材過程で排出される木の皮や端材、おがくずを活用して燻煙熱処理乾燥を行いソリや狂いが少なく、木材強度を増し、化学薬品を使うことなく防腐、防虫、防カビが期待できる処理です。

スダレ工法のスダレ部分の木材の刻みです。部材をたくさん作らなくてはいけませんでしたが、3種類の部材の加工だけでよく大工さんには好評でした。仮組みをした時に施工精度があることを確認しました。


 
体育館の竣工式のとき配布されたパンフレットです。設計同人舎が地元産こだわる理由を説明しています。

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