森林の中のキャンプ場の中にある屋内施設です。多賀町内産の木材を使用することの啓蒙として、材木の栽培時に出る無用とされてきた間伐材の有効利用を促進するために官民一体となって流通と素材の研究を行い一個のドーム建築として結実しました。
敷地は林道沿いの斜面が選びられました。「森の中に森をつくる」というコンセプトの元に斜面を生かすことにしました。
自然の中に溶け込む建築物を考えた時に立方体でなく丸みを帯びたものであることと、建築に裏と表がないこと、全面よりアプローチできるように、放射状のブランとして雨をしのぐが視線は閉ざさない素材の外壁としデッキを付けて内部の続きとしました。
「森の中に森をつくる」
櫓を持った大木が中央に配しているイメージで、膜構造のスクリーンに周辺の樹木が映し出され大木の枝葉として、大きな木の下の空間を作り出しています。
斜面に設けられた階段は、ステージとしても活用されます。
森の中の木々を表現し、工作作業時のコンセントも内包しています。
間伐材の使用箇所について何度も検討がされました。
間伐材の使用箇所や形状について構造計算も含め何度も検討がされました。
材長が4メートルしかない間伐材は、部材を2段あるいは3段に重ねることで耐力を得ました。そして、それらをトラス状に組むための金具のデザインが検討されました。
実際の間伐材の構造耐力が未知なるものだったので耐力検査をして安全性を得ました。材木の乾燥は、燻煙乾燥を採用し、外部の使用でも腐食しにくい仕様としました。
高さの違う基礎で水平面を確保し、作業所でトラス組の部材を作成し、現場で組んでいきます。
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